2004/04/28(wed)
 
 
午前11時の成田空港行き直行バスに乗るべく、タクシーに乗る。地元の駅までスーツケースを運んでもいいのだが、改札を越えた後でホームに降りるエスカレーターやエレベーターがないので、隣の駅まで行ってしまうことにした。タクシーに乗っているといきなり雹が降ってきた。まるで、先々を暗示しているかのような空模様である。

駅に到着。バスの乗車待ちをしていると「すいません、1時55分出発の飛行機に乗りたいのですが?」というお客さん登場。・・・それって非現実的な話である。大山のぶ代みたいな声をした青いロボットにアイテムを出してもらうしかない。と、ここでバスが到着し出発。成田までは約2時間30分。ベイブリッジやアクアラインを通って木更津経由で成田第一ターミナル到着。GW前日ということもありアクアラインは快適すぎる。まぁ、いつも快適すぎるぐらいに閑散なのだろうが。

 バスを降りて建物に入りスーツケースチェックをする。機械は通過したのだが、やはりスーツケースを開けられてしまい、検閲終了後に「なんとか」と書いてあるシールを貼られ、その足でカウンターにてチケットの発券。同時にスーツケースも預ける。この時点で出発まで約2時間あったので、職場発行のゴールドカードを活用すべくラウンジへ。「食べ物の持込禁止」という指令が貼られていたので、一旦ローソンに行き出発前最後のおにぎりを食す。ちなみに、シーチキンマヨネーズとひじきご飯である。

 ラウンジで飲み放題なのをいいことに、コーヒー、オレンジジュースを飲みまくりながら、新聞とかに目を通す。カード会社数社の供用ラウンジだったので、結構混んでいた。ちなみに、相席になったとある一家はビール飲みまくり。機内でイヤというほどタダ酒飲めるのに・・・

 で、搭乗1時間前となったので、手荷物検査場所へ向かう。周りを見ると夜発の便と思われる観光客がワサワサ。



 日本もきっかけさえあればお金を浪費する民族ということを再認識。検査の列に並ぶと、ウワサされていた「靴脱がします検査」はなく淡々と進む。無事に検査も完了となりゲートへ。だが、まだゲートは空いてなかったので、タダでネットができる某場所にて夕刊フジをチェック。向こうの情報ではなく夕刊フジというところがミソだ。

 そして、ゲートオープン。1番から4番というようにチケットに印刷されており、その順番に従って搭乗する。それに気がつかずに並んでいたオレの立場なし。しかも、ファーストの列に並んでいた・・・座席はエコノミーでも気持ちだけはファースト。そんな旅もいいじゃないか。


 さて、機体はボーイング777である。なので、音楽チャンネルやら映画のチャンネルやらは多い。とはいえ、アフリカ民族音楽チャンネル的なものやオペラチャンネルのように、ややマニアックな品揃えだったりするので、結局はヘッドホンを耳に当てていても音楽が流れているなぁ程度の認識になってしまう。そうしているうちに、地上を離れて機体は大空へ・・・(マンガにありがちな表現)。

 1時間弱、座席でぐだぐだしているとドリンクのサービスの時間となった。ちなみに座席は5列シートの右から2番目という、おみくじで言うところの凶のような場所。ひじをどっちにおいていいのかわからん・・・。写真のようにプレッツェルの詰め合わせが配られて、好きな飲み物ということになる。



 なぜかコーヒーを選んだが。これを5分で完食。ちなみに、お菓子の袋には“Groumet Party Mix”と書いてあったが、この量ではパーティーもさびしいものになるに違いない。オレの場合、どうしても飛行機でくつろぐというのが苦手で、免税のパンフレットやら機内誌やらに一応は目を通すものの、気が付くとグダグダしながらウダウダしている。そうこうしているうちに(と言いながら1時間ぐらい経過している)、機内食その1の時間。



 選択肢はビーフとチキンだが、前回(2002の旅日記参照)はビーフだったので、今回はチキン。内容はプルコギ、サラダ(ソイビーンズのドレッシング)、パン、ハムとフルーツ(枝豆はフルーツと呼べないが)、チョコケーキというラインナップ。味的にはプルコギはすっげぇ日本人向けだがサラダはすっげぇ外人向けという感じ。とはいえ舌の記憶的にはビーフより旨い。ただ、パイナップルの味が染み込んだハムは、最初、パイナップルバーガー的なイメージであったが、合いそうで合わないコラボレーションだった。チョコケーキは日本では会えない位のこれでもかという感じに甘い。これはこれでナイス。ところで、機内のオレンジジュースはもろに日本製。1リットル紙パックの側面には「濃縮果汁」と書いてあった。微妙な機内だ・・・と思ったら、2つ隣に座っていた子供が、子供用機内食としてホットドッグとお菓子を食べていた。正直、それが食べたかった。

 そんな機内食も終わり、寝ようにも眠れない悶々とした時間が数時間経過・・・ようやく航空機がアメリカ上空にたどり着き、シカゴ付近になったところで、機内食その2の時間(ちなみに、この間におやつということでカップ麺の配布あり)。



 パスタとオムレツだったので前回食べてないオムレツ。内容はオムレツ、ウィンナー、ハッシュポテトと愉快な仲間たち。結論としては、「オムレツ味薄すぎ」。あと、ウィンナーもなんとなく人工的な味。ハッシュポテトもなんだかなぁという味。ユナイテッドでこの選択肢にぶつかったときにはパスタを選ぶべし。と、おなかの塩梅もよくなったところでまもなく着陸の案内。シートベルトを確認してドスーンという音(少し違うが)とともにJFKに到着。いやぁ、長かった・・・しかし、到着時間が予定時間よりも1時間も早かった。これはうれしい誤算である。

 着陸して機内から脱出後は、若干の早足で入国審査に臨む。基本的には「何しに来たの?」レベルの質問なので安心なのだが、機内で書いた緑色の入国カードに記入漏れがあり、入国審査官の心象を悪くしてしまった。その結論として「あまりに味気ない“go”という入国許可セリフ」。まだ、仕事とか趣味とか身長とか聞かれたほうがマシだった・・・

 さて、バゲッジを審査後3分でピックアップし税関も通過した後、ホテルに連絡する必要があったので空港の売店でT/Cを両替。実は、今回の旅は500ドルのT/Cとカードのみ。現金はレートとかの関係で0だった。とりあえず、安そうなホールズを50ドルのT/Cで購入。店員はかつて見たことがないほどの「露骨にイヤな顔」。パスポート番号を控えてもらい、なんとか両替もとい購入。やはり、100ドルでも現金は欠かせないと思った。

 ホテルに連絡した後は建物の外に出て、タクシーでマンハッタンへ。



 しかし、ハイウェイではプチ車酔い。車高の低い車が苦手なのと長旅が重なった結果だ。途中の料金所で通行料4ドルの現金を渡すのも一苦労。日本からウーロン茶を持ってきていてよかった・・・そして、クイーンズトンネルを抜けてマンハッタンへ!実は出国前、たまたま成田の書店で見つけたとある発売されたばかりの雑誌でNY特集が組まれていた。その中に松井秀喜の記事があり、「このトンネルを抜けて目に入ってくる景色を見ると、マンハッタンに帰ってきたことを実感する」と書いてあった。それを思い出してトンネルを抜けたのだが、基本的には住宅街的な風景。すぐにエンパイヤとかが見えるわけではない。

 そうこうしているうちに、ようやくホテル付近に到着。タクシーの運ちゃんに対しての道案内が思い切りアバウトなものだったので、チップをやや多めに払った(本当は基本料35ドル+荷物1つにつきチップ1ドルのはずが、40ドルだった)。

 今回のホテルはアパートメントホテルである、建物に到着して管理人さんに挨拶した後に長期滞在可能なホテルゆえの郵便箱の場所やら、ドアマンは午前2時までいますよといったホテル内のルールを聞く。それにしても、午前2時までというあいまいな時間というのもいかがなものかと・・・

 で、部屋に入る。ところが、なんと前の人が使ったままの状態。ベッドカバーがくちゃくちゃになっており、バスタオルは針金ハンガーにかかって風呂場に放置の状態。管理人さんに事情を説明すると、何やら掃除のおばちゃんが体調不良で早退したらしく、管理人さんもまさかこんな状態のままとは思ってなかった模様。結局、管理人さんにシーツ交換やらバスタオルの入れ替えとかをしてもらうことに。その一方、スーツケースから洋服類を出してクローゼットに収納しなければならないので、部屋は有名レストランの厨房状態。そして、20分後ぐらいにようやく終了となる。

 一休みした後で“Sparks Steak House”へ。夕食の時間である。おなかの加減が微妙に満腹の状態だったので、ホテルから7ブロック程度歩く(今回のホテルはEast32Stにある)。店の外観は非情に(変換ミスだがある意味で適切な表現)高級店。ハイヤーを待たせて食べるいう、アメリカンドリームな輩も多いことが伺える。



 店内に入ると待ち行列が多数。一応、電話で予約した旨を伝えると「とりあえず、そのあたりのウェインティングバーで待ってなさい」という趣旨返し。でも、ESPNでスポーツ中継をしていたテレビがあったので、一人待つことに。2030となり、名前が呼ばれて席へ。テーブルの横と前にはワインセラーがあり、落ち着かん・・・。



 そうしているうちに、メニューが運ばれてきたので「あれとこれとそれください」的に注文する。その後、パンが登場。香ばしくてプレッツェルのような感じだ。



 しかし食べ過ぎ厳禁。なぜならサラダが
A4縦の直径並みのお皿で来たのだ。アメリカったら、量多すぎ。



 でも、ドレッシング(オリーブオイルベース)が美味しいので食が進む。7割ぐらい食べたところでブラウンポテト(とかいう付け合せ)が運ばれてきた。



 カリカリベーコンと合えて出てきたのだが、芋部分は旨い。しかし、油カス的になってしまった部分も多数。これを全部食べようとすると…こんなでかい肉が!




 厚さ3cm、幅4cm、奥行きA4横というサーロインステーキである。ミディアムレアで出てきた肉の最初の一口を食べると・・・旨い、旨すぎる。肉汁滴るいいお肉。正直、生涯のステーキの中でも最高の1品と言える。全部食べるとFATBOYになると思ったが、あまりの旨さに全部食べない理由などなかった。ただ、勢い余って口の中を噛んでしまったのは痛恨。この噛んだ出来事が旅行中の悩ましい事態を引き起こすことに。

 食後、デザートメニューも運ばれてきたのだが、お腹にはそんな余裕なかったので精算。カード払いをしつつ、50ドルのTCを現金にしてもらうことに。さすが高級店、サービスも高級だ。チップ10ドル払ったからそれぐらいしてもらわんと・・・いう気もあるといえばあるが。

 店を出て、持ってくるのを忘れてしまった歯ブラシを買うべく“duane&reade”へ。NYのドラッグストアと言えばここである。歯ブラシとスタバの瓶コーヒーを買って、肉の余韻にひたりながらホテルへ到着。で、部屋の中で買い物袋を見ると・・・歯ブラシ行方不明。結局、歯磨き粉をダイレクトに歯に擦りこむという、塩で歯を磨いていた頃のレトロな方法で解決することに。こうして、初日の夜は更けていったのであった。