2004/04/29(thu)

 旅先にもかかわらず意外に普通の時間に起き、テレビで“NY1”を見ながらうだうだとする。NY1はタイムワーナーグループによるニューヨーク専門のニュースチャンネルだ。このチャンネルのなにがありがたいかというと、番組の最初に天気予報をやること。ただ、起き掛けにこんな数字を見ると一瞬引いてしまう(摂氏ではなく華氏なのでこうなる。この数字から32を引いて引いた残りを2で割ると大体の摂氏表示気温となる)。 

 この週のビッグイベントである「トライベッカ映画祭」関連のニュースを見ながら、やっとこさ頭も回転し始めたので、シャワーを浴びたり歯ブラシなしの歯磨きをしたりという身支度をして2日目の始まりとなる。

 朝食を食べるべく地下鉄に乗るために32Stの駅に向かう。途中、99セントショップのJACKSを発見。



 早速入ってみると売り場はでかい。売っているものとしては、日本の
100円ショップ+ドラッグストアという感じ。モノによっては1つ48セントぐらいでも売っていたりする。ここで歯ブラシを発見したので購入。こっちの歯ブラシというのはボディサイズに比例してなのか、ブラシの表面積が非常に大きいものばかりで磨きにくそうだ。ということで、一番表面積が小さいものを選んだところ子供用だった。とはいえ、昨日のDuane&Readeで歯ブラシを買うと2ドル30セント。磨ければいいのだ。Fに上がると、多少値段が高めに設定されているものが揃っている。とはいえ、値段が高い理由は「1つ99セントで売っているものの10個パック」という感じである。ちょっとしたギフト系のアイテムも撮り揃っているので、ものめずらしさをアピールしたい観光客は足を運ぶ価値があると思う。

 Jacksを出て地下鉄の入口に到着。その前に“Madison Square garden”を発見。



 実は生で見るのは初めて。やはりデカイ箱である。ただ、ビルとセットになっているので、作りとしては上空から見ると「尾ひれと本体」という感じであろう。

 地下鉄で72Stに行き、本日の朝食。“Gray's Papaya”なるホットドッグ屋さんである。地元の人にもNYに来る日本人観光客にも有名なので、ご存知の方も多いであろう。ちなみに、中田英寿もここのホットドッグのファンらしい。この日は外装の改装を行っており、ベニヤ板貼りまくりという工事中テイストにあふれたものだった。



 ホットドッグ2個とパパイヤジュースのセットで2ドル40セント(だったはず)。これでも値上げした料金らしい。味のほうだが、ホットドッグは事前のイメージどおりに旨い。ソーセージパリパリ、パンふわふわというものである。で、パパイヤジュースはもっと旨い。生絞りで非常に濃厚。氷が入ってないのによく冷えている。これは素晴らしい。ピナコラーダ(アルコールなし)もあったので、次回はこれを試してみたい。

 食後は、はす向かいにある“Urban Outfitters”へ。洋服屋である。



 10時開店というまるでヨーカドーのような開店時間であるが、中は“Beams”のカジュアル部門専門店のような感じ。2時間の滞在の末に、ジャージとスウィングトップを購入。ちなみに、後者はペンギンマークでおなじみのマンシングのもの。そして、メイドインマカオという事実は否定しない。でも、これがこの旅で役立つのよ、奥さん。

 買い物も終わり、昼食に向かったのはセントラルパーク近くW56th Stにある“Sitar Indian Cuisine”(ウェブなし)へ。昼は約10ドルで食べ放題となる。8種類ぐらいのカレーとじゃがいもの天麩羅、それにサラダ、スープ、デザートが選べる。なお、ライスも置いてあるがナンが運ばれてくるので積極的にライスを選ぶよりは軽めの量にしておいたほうがいい。



 で、これらを2回に分けて取ってみたのがこれとこれ。



 左の写真は、左手前がラム、右手前がチキン、左奥がタンドーリチキン、右奥が豆系。センターのライスの上にあるのはじゃがいもの天麩羅。特に右手前のチキンが旨い。最初は甘めなのだが、途中からしっかりした味になる。あと、ジャガイモも旨い。右の写真はホウレンソウ、野菜、謎のだんご(この正体は未だに不明)、野菜かき揚げ。この中ではかきあげ一番が旨かった。あまり、店の人に見せたくない文章だ。
で、この写真はデザート。



 ココナツミルクにご飯が入ったようなものなのだが、冷えていてすごく美味しい。カレーを食べているときの箸休めにもなった。サラダ食えという感じだが。

 お腹がふくらんだところで、次に向かったのは5番街の“HM”。



 北欧資本のオシャレなユニクロみたいなものである。日本の新聞で「
HMもオープン当初の勢いも薄れてきており・・・」と書いてあったが、入ってみると非常に混雑していた。入口のソファーでくつろいでいる人もいれば、両手に納まりきれないぐらいの洋服を持ってフロアをウロウロしている人もいる。2Fのメンズフロアに行くと、状況変わらず。最近はワイシャツもあるのだが、カラーリングがあまりにも日本人むけではないので断念。フロアを2周して試着用のTシャツ5枚とベルト1本を抱えてフィッティングルーム待ちの行列に加わる。

 この店のフィッティング方法はユニークである。まず、自分の番が来たら試着する洋服の数を伝える。すると、その数が書いてあるプレートが渡される。ちなみに、10と書いてあったプレートは確認できたが、それ以上になったときの扱いは不明。次に個室に向かい、ドアノブにプレートをかける。そして着てみる。ここの個室のいいところは、鏡の角度である。一言で言うと「背中が見やすい」。そして、ひととおり試着が終わったら買わない洋服と入るときに受け取ったプレートを返却するというもの。客にとってのシステムのメリットは「買わない服をわざわざ元の場所に戻す必要がない」という点。フロアも広いので助かる。と、結局オレはTシャツ2枚とベルト1本を購入。

 この5番街、日本人にとっては高級ブランドかハイソなブランドかマダム御用達のブランドしかないようなイメージもあるが、教会だって建っている。これはセントパトリック教会。



 内部にはティファニーがデザインした祭壇もあるとのこと。

 洋服を抱えてホテルに戻り、カバンの中からパスポートとサイフのみを抜き取って・・・ってスリのような表現だ。取り出して再び外出。なぜ手ぶらかは後述。向かった先はタイムズスクエアにある“Cold Stone Creamery”。



 店内に入ると店員さんに「あんさんはこっちの列に並んで」的に言われるので並ぶ。すると日本人も行列に加わっていた・・・。この店でのオーダーの方法は2通り。あらかじめ決まっているメニューを選ぶか、ベースとなるアイスやトッピングする果物とかを決めてオリジナルフレーバーを作るかだ。で、後者にしようかとも思ったのだが、トッピングとかの種類があまりにも多すぎるので“
Strawberry Banana Rendezvous”を注文。最初にベースとなるストロベリーアイスの試食をさせてくれる。で、このままいくかフレーバーチェンジをするか店員さんに告げる。次に、アイスや果物を店員さんが冷たい鉄板の上でまぜる。



 どう見てもお好み焼きを作っているようにしか見えないが、これがこの店ならではアイスの作り方。そして、かき混ぜたものをコーンやカップにのせてできあがり。




 味は豪快に甘い。かつ、果物の酸味やホワイチョコチップのアクセントが効いていてすごく美味しい。ちなみに、これでも一番小さいサイズなのだが、女性のご飯茶碗並みの大きさだ。日本のサーティーワンにもこのぐらいのボリュームが欲しい。

 そして、食べた後はヤンキースタジアムに向かう。地下鉄161St駅で降りて階段を登って地上に上がると、多くのヤンキースグッズ店が並ぶ場所に出る。



 まるで水道橋のようだ。そして、これらの店の向かい側にスタジアムはある。ちなみに、このスタジアムはセキュリティの関係でバッグ類の持ち込みが禁じられている(女性用の小さいバッグやおむつカバンを除く)。なので、このグッズ店の並びに5ドルで荷物を預かってくれる店もある。ただ、カメラとパスポートと財布だけが荷物だったので、それらの店との縁はなかった。

 チケットはネットで予約しており、“Will Call”と書かれた窓口にてパスポートと予約時に使ったクレジットカードを提示することで入手となる。ちなみに、当日券も売っているが、内野のいい席やレッドソックス戦、あるいはメッツとのサブウェイシリーズ時のチケットは、売り出しと同時に売切れてしまうらしい。そして、これがチケット(上は手数料分)。



 ちなみに、ヤンキースタジアムで一番安いチケットは5ドルから買える。

 チケットを入手したらいよいよ球場へ。入り口で軽くボディチェックを受けて座席に向かう。想像よりも傾斜がゆるやかである。まだ、他のお客さんが少なかったので色々と移動して撮影してみる。



 で、これが席から撮影したライトスタンドなのだが、生で見るとドッキリのような傾斜である。



 左に小さいエリアで見えるのがブリーチャー席と呼ばれる外野席。日本と違って外野席が小さい。聞いた話では席も狭いらしい。レフトスタンドも同じような造り。ただ、こっちにはフェンスとスタンドの間にメモリアルパークとかブルペンがある。



 試合開始も近づいてきて選手がダッグアウトに集合してきた。試合前には前日の試合結果を伝えるスポーツニュースが流れる。あ、松井だ。写真ちっちぇー…


 スポーツニュースの後はスタメンの発表。この日の打順は7番である。そして国家斉唱となり、1回表の守備につく各選手がポジションと共にモニターに映し出される。




 さて、ここまで書いてなかったが、この日はオークランドアスレチックス戦。試合は1回表にアスレチックスがチャベスの2ランで先制。この時の空気は「シーン…」と書いてあるマンガのような雰囲気。しかし、その裏に1番のジーターがいきなりの先頭打者ホームラン!同点に追いつく。



その後、3回には
A-ROD、5回にはバーニーウイリアムズがそれぞれソロホームランを打ち3−2となったが、6回表にアスレチックスが同点に追いつく(写真はそれまでに撮ったもので、ジオンビーだったり松井だったりする)。



 だが、その裏にランナーを1塁に置いて、松井がエンドランのサインもあって高めの球を「大根切り」。これが、1、2塁間を破って1、3塁。チャンスを確実に広げた。そして、この後9番に入ったカイロが決勝点となる3ラン!




 7回の裏の前には“God Bless America”が流れ、その後に“Take me to the ballpark”となる。そういえば、5回にはYMCAも流れてグランドキーパーがグランドの整備道具を持って編隊を作っていた。



 試合は、1点差に迫られた8回途中からリベラが登場しピンチを抑える、そして8回裏に追加点を取ったヤンキースが7−5で勝利。この日の松井は2安打であった。

ところで、ジーターの人気というのは半端じゃなかった。NYの貴公子という異名どおり、ジーターが打席に向かうときの声援は一番だった。松井にも声援は飛んでいたのだが、やはりジーターには及ばない。1回裏の先頭打者ホームランを打った瞬間、観客がほぼ総立ちになり“Yeah!!!!!!”という感じになる。こんな一体感は日本じゃ味わえない。メガホンやトランペット、選手別の応援ダンスもいいが、ワンプレーに対するリアクションはこっちのほうが大きい。

 試合終了後、すぐに地下鉄に乗り“Corner Bistro”へ。バーなのだがハンバーガーが旨いということで、テイクアウトで購入。ちなみに、ヤンキースタジアムでは食の物価が高かったこともあり(ホットドッグ7ドルとかジュース4ドルとか…)何も食べていない。写真のとおりポテトの量もすごいがケチャップの量もすごい。どう判断すればこんな量になるのだろうか。



 ハンバーガー本体は肉が非常に肉厚。ポテトがなければ炭水化物控えめダイエット的アイテムである。まぁ、肉食っている時点でダイエットもヘチマもないのだが…。これにチーズやらベーコンやらトマトやらオニオンやらレタスが挟まっており、非常に旨い。これぞハンバーガーという期待通りの味であった。こうして、2日目の夜は更けてゆく…