インティライミ
 JR川崎駅下車、ミューザ川崎方面を超えて更に先に進むと見える、黄色い看板と果物がたくさん入ったショーケースが目印のペルー料理店。
 左上から、「チュミチューリ」(右)と「アヒー」(左)、「パパ・ア・ラ・ウアンカイナ」、「アンティクーチョ」、インカコーラ、「ロモサルタード」、「セビッチェ」、「ピカロネス」。

 「やまけんブログ」でも頻繁に出てくる川崎のペルー料理。店内は外観と比べると意外に小さめ。テーブルに座りメニューを見てあれやこれやと注文しているうちに、刷り込み効果なのだろうか、結局は先のブログとほぼ同じラインナップになってしまった。

 まず、前菜として注文したパパ・ア・ラ・ウアンカイナ。じゃがいもにチーズベースのソースがかけられているのだが、このソースが見た目と違って、のどの付近でピリ辛の刺激となる。ソースの辛さもあってか対照的な位置づけとして、じゃがいもの甘さがダイレクトに伝わってくる感がある。また、ゆで卵も白身の食感が弾力に溢れたクニャクニャとしたものとなっている。そして、これにチュミチューリ(パセリとにんにくのソース)と、アヒー(唐辛子のソース)をかけて食べ比べ。前者は、にんにくの効果なのか非常にコクと深みが出る。正直なところ、ごはんにかけて食べると何杯でも食べれるのではというぐらいにストライクゾーンが広いソース。後者は、とにかく辛い。ただし、下品な辛さではなくしっかりと作りこまれた濃厚な辛さ。

 次に、出てきたのがアーティクーチョ。牛ハツの串焼きなのだが、一切れが約6センチという大きさ。これに焼かれたジャガイモがつく。一口食べると、いかにも内臓という野生的な味がスパイスによって食べやすいものとなり、さらに噛めば噛むほどに濃厚な脂と味がにじみ出てくる。当然、チュミチューリとアヒーのどちらでも合うのだが、個人的には、チュミチューリのほうが、肉の味をまろやかにしてメリハリをつけてくれると感じた。

 ここで、ようやく出てきたのがインカコーラ。コカコーラと比べて飲みやすく、まろやかな味。

 そして、ロモサルタード。牛肉、ポテト、たまねぎ、トマト、にんにくの茎のような野菜が炒められたもので、横にライスが添えてある。正直、牛肉にはややパサツキがあったのだが、ジャガイモが牛肉の旨みや油分を吸っており、かなり旨いものとなっている。また、トマトの酸味が牛肉とジャガイモの濃厚な組み合わせを食べやすいものにしている。ご飯との相性もよく、イメージとしては日本の肉野菜炒めか。と、ここで、プレートの上のご飯にチュミチューリを乗せて食べたのだが、じんわりとチュミチューリの味が馴染んで、やはり自分の好きな味であった。ちなみに、この炒め物に相性がいいと思ったのはアヒー。

 と、ここで前菜メニューの中でセビッチェを注文。やはり、ロモサルタードの味が強めなので、このマリネであるこのセビッチェで緩和させたいというのもあった。そのセビッチェはタコ、イカ、白身、紫玉ねぎ、トマト、香草、ジャガイモ、サツマイモ、海草、そしてコーンが入ったもの。お酢が適度に馴染んだ白身とタコ・イカの食感。それを野菜がうまい具合に甘みを加えている。そして、コーンの香ばしい味がいいアクセントとなっており、口の中をさっぱりさせるには効果的。

 最後に、デザートのピカロネス。かぼちゃとさつまいものベースに香草を加えたドーナツである。衣の軽快な食感に続いてモチモチした食感に移り、ベースの甘みと香草の酸味に近いアクセントが効果的。シロップもメイプルシロップに、ハッカのような爽快感を感じさせたもの。これがドーナツのちょっとした重さを軽さに変えてくれる。

 これだけ食べてお会計は約4,000円。コストパフォーマンスと満腹感はかなり高い店である。で、この店からの帰りに、駅からこの店に向かう同じ通りに、もう一軒ペルー料理があることが判明のだが、それは、次回の宿題ということで。