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2006年06月10日

神奈川・店名を出せないお店 ランチ(2,200円)

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 とある方から教えてもらい偶然知ったこのお店、元々は焼き菓子のお店なのだが、ランチも提供しているとのことで、事前に予約をしてから足を運ぶことに。

 初めての訪問なのだが、行ってみて驚いたのが、外観はまったくの一軒家。それもそのはず、このお店は自宅の1Fを改装して、お店として営業をしているというもの。外に出されているメニュー黒板を目印として玄関のドアを開けると、焼き菓子の販売コーナーとなっていた。

 そして、店内に案内されると、ほのぼの和み系の夫婦と、お店のオーナーであるお母様のセンスで飾られた、観葉植物や鎌倉彫りが彩りを加えている。

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 さて、ここのランチメニューはコースのみとなっており、この日は「ネギトロとアボカドのジャポネーゼ」か「オクラとトンブリのとろーりプリプリ和風パスタ」という、2種のパスタをメインとしたものだったので、後者を選択。

 注文後、暖簾を隔てて注文した料理が作られるまでが、音として聞こえてくる間に、鎌倉彫りに見入ることとなる。ちなみに、この棚にある鎌倉彫りは全て、お母様が作成したというもの。

 そして、料理が運ばれてきた。

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 店内のメニュー黒板に書かれた順にしたがって、ゆずとリンゴの酢で作られたドリンクから飲むことに。ちなみに、本来は手作りの果実酒を食前酒としていただくのだが、車でお店の最寄駅まで行ったので、飲むことができなかった。

 この食前のドリンクは、リンゴ酢に自宅の庭で取れるゆずを加えたもので、酸味の強さとリンゴの甘みが作る味の幅が広い作りとなっている。そして、ゆずが加わることで飲み易さも感じる。

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 次に食べたのが、ソムリエのサラダ。実は、夫婦のうち奥様は「野菜ソムリエ」こと、ジュニアベジタブルフルーツマイスターの資格を持っている。ソムリエが選択した野菜は新ニンジン、ズッキーニ、そしてほうれん草。全ての野菜の食感がシャキシャキとしているのは当然なのだが、この食感にも微妙な違いを感じるのが楽しい。また、個々の味の濃さがしっかりと階層となっていることにも注目。

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 そして、個人的に一番驚いたのが、パプリカのムース。ムースとはいえスープ仕立てになっているのだが、この食感がすごい。最初はふんわりとした軽さを持った口当たりなのだが、徐々になめらかな食感が広がる。そして、パプリカの素材がそのまま生きたやさしい甘みが膨らんで、最後に空気感が後味を軽くしてくれる。味を含めた一連の流れがたまらない一品となっている。

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 パスタは夫婦のうちダンナ様が担当。秋田産のトンブリをもろみ酢と合わせて調味したものを中心に、素材の味をそのまま活かすあっさりとした味付けとなっている。また、沖縄産のオクラもシャクっとしたしっかりした食感。トマトも甘さを加えている。ふんわりと蒸された鶏肉も入っており、全体にバランスがとれた味となっている。

 と、ここまでが前半部分となる。後半はこの店の顔であるデザートとドリンクの組み合わせとなる。紅茶かコーヒーを選べるとのことだったので、コーヒーを。普通だとこれだけで終わってしまうのだが、このお店の場合はマンデリン等の豆を選ぶことができ、フワフワカフェオレなんてメニューもある。悩んだ末に、マンデリンを注文。

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 正直、ここまでのボリュームのプレートが運ばれるとは思わなかった。まず、イチゴのソルベは、自家製ミントをあしらった一品。イチゴは、章姫イチゴを使っており、しっかりと空気を練りこむことで、ふんわりした舌触りから、しっかりとした果実の甘みと酸味を感じることができる。そして、ミントの味が一気に口の中をフラットにしてくれる。

 次に、マンゴーのケーキ。実は、ケーキの中にはババロアが隠れており、弾力溢れるゼリーとの食感コントラストが作られている。宮崎産のマンゴーの持つ甘みも十二分で、贅沢な一品となっている。

 そして、右がルバーブのシフォンケーキ。黒姫高原で栽培されているルバーブを、シフォンケーキの中に加えて、それにルバーブのジャムをつけて食べるというもの。まず、ジャムをつけずに食べようと、フォークをケーキに当てたところ、ものすごい弾力が返ってきた。

 口にするとしっかりした生地の甘み。ここにルバーブの独特な味と繊維の食感が加わることで、味に深みが加わる。そして、ルバーブのジャムをつけて食べると、しつこさのない甘みと酸味が、さらに豊かな味にしてくれる。

 素材にこだわっている料理というのは、どうしても理屈優先になってしまうことがあるのだが、ここは食べ手に優しく、そして、自分のスタンスをしっかりと出しているので、安心して食べることができる。

 ところで、このお店について書かせていただくことを伝えたところ、「木〜土の三日間しかやっておらず、本当に狭い店なので、ランチで訪れる際には予約をしてもらえると助かる。」ということで、店名を控えることに。

 このお店の一連のメニューや焼き菓子に興味をお持ちになられた方は、こちらからお店にメールを送って、場所や内容を確認してから訪問することが確実となる。

 ただ、あらゆる面で安らげるお店なので、一度訪れる価値は大いにあることだけは確かである。

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カテゴリー : [ カフェの食事|ひるベスト|神奈川県内 ]  記事の編集 takapu : 2006年06月10日 23:10

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