2006年11月20日
溜池山王・キャピトル東急ホテル「コーヒーハウス オリガミ」 ドイツ風パンケーキ(アップル・1,155円)
私は、社会人になって10年以上が経過しますが、本日、初めて伺うことができました。館内に入ると、お別れが近いということもあってか、至る所にあなたからの感謝の言葉が、飾られていました。
本当は、こちらが感謝の言葉を伝えなければならないんですけどね。
モダンな作りの中に、落ち着きを持った照明を横目に階段を登り、コーヒーハウスオリガミの前に到着すると、お別れを惜しむお客さんがたくさん待っていました。色々な方に愛されていたのですね。
長いような短いような時間の後に、カウンター席に通されると、厨房の中で一つ一つの料理を作っている動きが見えるのですね。大きな窓越しに綺麗な中庭が見える席もあったのですが、私はこの席に座ることができてうれしく思いました。
周りを眺めると、お客さんの多くがパーコーメンを注文していたのですが、メニューブックを手に取って私が選んだのはドイツ風パンケーキでした。
25センチぐらいはあろうかという、リンゴの酸味が効いた大きなパンケーキを、たっぷりのメープルシロップとバターと共に、ゆっくりと食べさせてもらいました。
初めて食べたのに、懐かしさをも感じさせる味なのは、あなたが長い時間、色々な方に愛され続けたからこその味なんでしょうね。お店を出るときに、目にした大きな折り鶴を見て、そのことがわかりました。
次にお会いできるのは2010年だと聞きました。それまでしばしのお別れですが、また会える日を楽しみにしています。
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2006年11月10日
神谷町・nirvanam(ニルヴァナム) カレーブッフェ(1,100円)
神谷町交差点から、御成門駅方面に向かって歩くと、とあるビルにデイリーヤマザキの看板と共に、インド料理店の看板を見ることができる。早速入ろうと思ったが、ビルの外側には入口がなく、普通のオフィスビルの入口から入り、階段を登って店舗のある2階へと向かう。
店内に入ると、温かみのある店内の照明と、大通り沿いに面した窓から射し込む日差しが、明るさの諧調を作り出していた。本当は窓側の席に座りたかったのだが、あいにく席が埋まっていたので、唯一空いていた一番窓から遠い席に座って、注文したのはカレーブッフェ。
金属製のお盆の上に、直径約8センチのターリー(カレーを入れる容器)を2つ乗せて、ブッフェスペースを見回す…カレーが5種類、チキンロースト、サフランライス、パン、サラダ、ドーナツ、デザートが置かれている…どれを選ぶか迷う…迷った末に、全種類食べることに。
・時計周りに12時の位置から「サンバール」、チキンロースト、サフランライス、「ケララポラタ」、チキンカレー
さて、このお店は、北インド料理店ではなく南インド料理店。その代表とも呼べるサンバールとは、キマメ(樹豆)と色々な野菜を煮込んだスープ。野菜とココナッツミルクの甘さやコクが順々に広がるその展開は、いわゆるカレーとはかなり違う味。辛さの印象よりも、味の深さに対する印象が強い。
チキンカレーは、かなりマイルドな味わいに加えて、香草の刺激がしっかりと加わることで、メリハリのある味になっている。前者が飲みやすいカレー的料理なという位置づけなのに対して、こちらはイメージ通りのカレーといったところか。
チキンローストは、スパイシーかつジューシーな一品。カレーがマイルドかつサラサラした味なのに対して、こちらはがっつりとした立体感とボリューム感を、与えてくれる。
これらを食べる際に組み合わせる主食は、サフランライスとケララポラタという、オーナーの出身地である南インドのケララ州のパン。金属製のお盆にカレーをかけると、かなりすごいことになりそうだったので、スープカレーのように、サフランライスをスプーンに盛って、浸して食べる。
一方、ケララポルタはナンよりも薄く、チャパティ的なもの。カレーをつけずに食べると、しっかりと粉のコクと、わずかにほんのりした甘さも感じる。これをカレーに浸すと、じんわりと染みこんでパンの旨さとカレーの旨さ。両方を感じるマッチングとなる。
・左が野菜カレー、右がジャガイモと豆のカレー
野菜カレーは、口に入れた際に強い香草感を感じ、ここからにんじんや玉ねぎといった野菜の甘さが広がり、口の中で味が入れ替わっていくというもの。そして、ジャガイモと豆のカレーは、今までのサラサラなカレーとはうって変わり、ゴロゴロと大ぶりなジャガイモと豆が、たっぷりと入ったもの。液体によるソフトな味わいから、しっかりと噛むことにより、具の旨みとスパイスが旨みが広がるというもの。
・手前から「バダー」、マトンカレー、サンバール
バダーとは、ウラッド豆という豆を使ったドーナツ。さっくりとした揚げ面の食感とフェンネルの刺激から、ホコホコとした生地の食感になるという、変わった一品。ところで、このバダーはタミルナド州という州の料理。サンバールとの相性がいいということで、隣同士に置いてあるのだが、これを浸して食べると、ケララポルタとはまったく違って、豆のコクによってサンバールに足りない部分を補う組み合わせだと実感できる。
マトンカレーは、インドで一番辛い料理を食べる州だという、アンドラ州バージョンのもの。恐る恐る食べてみると、予想以上に辛さは抑え目で、むしろマトンのクニュクニュとした食感が心地よく、肉のボリュームと辛さのバランスが理想的。
・セモリナ粉が入ったコンデンスミルク
デザートは、セモリナの粒が入ったコンデンスミルク。やさしい甘みが複雑なスパイスによる刺激や味を、丸くしてくれる。
ターリーを使いまわさなければならないとか、ドリンクがブッフェなのに別料金という部分もあるのだが、あくまでも、南インド料理を食べに来るお店であって、日本で当たり前のブッフェシステムを食べに来る店ではない。
そんな些細な問題が気にならなくなるほどに、魅力的な南インド料理を選ぶ楽しみ、そして味わう楽しみがここにはある。
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2006年11月07日
銀座・AROMA DINING スパイシーカレーうどんと生牡蠣のバター焼き(1,000円)
こちらの方が、「この店で牡蠣を食べた!」という、素敵な記事を書かれていたので、AROMA DININGへ向かうことに。
店内に入る前にビルの入口にてメニューを確認し、入店、即注文したのは、スパイシーカレーうどんと生牡蠣のバター焼きのセット。
このお店の前身である「吟丸」が掲載されている、Dancyu2000年3月号を読みながら10分ほど待つと、最初にうどんが運ばれてきた。大きな器にうどんとカレーつゆが入っているイメージを持っていたのが、実際には、カレー味のつけ汁とざるうどんだった。
ただ、このつけ汁がえらく旨い。
五島うどん特有のあごダシと、カレー粉という組み合わせは、どちらも強めな個性にもかかわらず、しっかりといいとこ取りで調和しており、単独のスープとしても飲めてしまうレベル。
また、具として入っている豚肉も食感が強く、しいたけは自らの味とダシとカレーが一体になったエキスが、最初のひと噛みで、じゅわっと広がるものになっている。
うどんとの相性については、うどんの味自体は、やはりカレー粉の強さには少し負けてしまうのだが、「このうどんを、いかにして勢いよく食べさせるか」といった意味では、大正解の組み合わせ。ということで、休むことなく勢いで食べつくしてしまった。
次に、生牡蠣のバター焼きが運ばれてきた。
約5センチ前後と、少し小さめな三陸産のカキが6つが乗ったお皿と、ごはんが運ばれてきて、その際に聞いた「このスープも美味しいんですよ」という一言。火の通し加減がよく、生牡蠣の味を残しつつも、バターのコクとの組み合わせにより、旨みが引き出されたソテーとしての牡蠣の味が、非常に濃厚。
また、スープも牡蠣の旨みがしっかりと広がったものになっており、ご飯との相性も申し分なし。こうなると、牡蠣を食べスープを口にしご飯を食べるの繰り返し。
そして、食後にはぶどうのシャーベット。
3回目なのだが、いつ食べても美味しい。やはり、どのメニューを選んでもポテンシャルが高く、しっかりとした味を楽しめるお店というのは、貴重である。
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2006年10月31日
日比谷・帝国ホテル「ユリーカ」 バターミルクパンケーキ・季節のフルーツ添えとペリエ(2,194円)
最新号の「散歩の達人」の表紙を見て、パンケーキが食べたくなってしまったので帝国ホテルへ。日生劇場側に出入口があるものの、せっかくなので正面入口から入り、大きなロビーをまっすぐ進んで案内板に従って進むとお店を発見。
すると、帝国ホテル内では一番入りやすいお店ということもあってか、8人ぐらいがウェイティングの状態。そこで5分ほど待った後に席に案内され、メニューブックから注文したのは、当然ながらパンケーキ。ドリンクについては、紅茶やコーヒーで迷ったものの、なぜかペリエを注文。
そして待つこと約10分、目の前にパンケーキが運ばれてきた。直径約14センチぐらいのパンケーキが3枚、季節の果物としてイチゴが4つ、そして、ホイップバター、メイプルシロップ、はちみつというのがワンセット。
一枚一枚はあまり厚いものではないので、最初の一枚という具合に綺麗に食べようとしても、どうしても次の一枚にナイフやフォークの跡ができてしまう。でも、ナイフが当たった瞬間、生地の表面から伝わってくる香ばしさ、そしてその奥にあるしっとりした生地の柔らかさが、いやおうにも期待感を高めてくれる。
まずは、ホイップバターを塗って食べると、生地のほんのりした甘さ、そしてバターの想像以上にあっさりしたコク、そして徐々に広がるうっすらとした塩味。口当たりが軽めなのに味がしっかりとしているという、理想的な組み合わせになっている。
次に、ホイップバターが塗られたパンケーキに、イチゴにかけられたジャムをつけて食べると、少しの酸味としっかりした甘さのジャムが、生地のコクと一体になって口に中に広がる。この流れでイチゴを食べると、パンケーキのコクとのコントラストがはっきりするのと同時に、イチゴの味も際立って感じる。ここまでで一枚目が終了。
サービスの方によってグラスにペリエを注いでもらってから、二枚目を食べる。まずはバターを塗らずに、メイプルシロップを注ぐ。生地にじんわりと染み渡ったシロップの甘みは、かなり濃厚。それなのに、食べてみるとしつこさは皆無。上品な甘みとパンケーキがしっかりしていることで生まれる味か。そこに、ホイップバターを塗ると、コクとシロップの甘みの一体感によって、ボリューム感が高まる。
イチゴを食べた後で三枚目、まずは蜂蜜を注ぐ。メイプルシロップよりも粘度が高いものの、甘さとしてはメイプルよりもやさしくなっている。生地への染みこみ方は、こちらのほうが弱いので、生地との一体感というよりも、この蜂蜜を生地と一緒に味わうという感じになる。そして、ここでもホイップバターと一緒に食べることで、蜂蜜の味わいにアクセント的な塩味が加わる。
で、最後の一口は、ホイップバター、イチゴ、ジャム、そしてメイプルという組み合わせで食べる。満足感が一杯になるのと同時に、いつの間にかお腹も一杯に。
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2006年10月17日
赤坂・L'arcobaleno Pranzo B(3,000円)
久しぶりにアルコバレーノへ。普段は“Pranzo A”という、サラダ・スープ、パン、メイン、ドリンクがセットになったものを注文しているのだが、今日は妙にテンションが高かったので、お昼のフルコースであるPranzo Bを注文。最初に運ばれてきたのはこの2品。
・自家製3種類のパンとフォアグラのブリュレ仕立て
手前のフォアグラは、この状態で運ばれてきたものではなく、フォアグラのムースが入ったカップが運ばれてきたところに、砂糖が注がれて…
という具合に、目の前で火をつけて出来上がりまでを見ることができた。この熱によってクリーム状になったフォアグラのムースと、固く香ばしい苦味をかもし出す砂糖が一体になり、濃厚な味わいとなる。また、カップの下部には熱が通ってないので、ムースとしての味わいと、クリームとしての味わいの二種類を堪能することができる。
・前菜3種
前菜は、甲イカとホッキ貝のマリネ、そして手前が「鯖のカルピオーネ」というもの。マリネはニンニクとオイルのコク、そしてパセリの苦味が、個々の素材が持つ甘みと一体になって、そこにピンクペッパーの鮮烈な刺激が加わるという、さわやかかつ濃厚な味。特に、ホッキ貝のワタの味わいとオイルがコントラストになっていたのが印象的。
一方の鯖のカルピオーネは、揚げた鯖と野菜をワインビネガーに漬け込んだ、いわば南蛮漬けのようなもの。ワインビネガーをぎゅっと吸い込んだ鯖と衣が作る、酸味と一体になった旨みが口の中に広がる。また、タマネギやニンジンもその食感と甘さが、鯖の味とコントラストを作っている。
・さんまのトマトソース シチリア風
トマトの甘さと酸味、そこにサンマのほろ苦くも力強い味。そしてタマネギの甘さが加わることで、濃厚かつ立体的な味になっている。また、パスタは手打ちの「キタラ」というものを使っているのだが、ここのお店では、
こんな道具の上に手打ちのパスタ生地を乗せて、金属の下に落として作っている。クミクミした食感のパスタなので、濃厚なソースに負けないバランスとなっており、噛めば噛むほどにソースと粉の味が一体になる。また、アクセントとして入っている松の実とパセリが、ソースに変化を与えてれるのも印象的。
・青森産バルバリ鴨と野菜のロースト クランベリーソース添え
メインはひ弱な食感ではなく、これぞ力強さといわんばかりの食感を持つ鴨。そこから溢れてくるのは、旨みに満ちた肉汁のみ。脂が豊富な肉もいいのだが、やはり本来の旨みというのは、脂ではなく赤身からのエキスではと思っている身なので、非常にうれしい限り。また、クランベリーソースとの相性も、酸味と肉の旨みのバランスが取れており、ナイフとフォークが止まらない。
そして、イタリアから直送されたカブや、大ぶりのナス、ネギもしっかり旨みを引き出されており、その甘さや食感が肉の味を引き立てつつも、個々の味としてもしっかりと主張しているのが印象的。
・いちじくのコンポートとバニラアイス
食後のデザートは、紀州のイチジクを使ったコンポートと、自家製のバニラアイス。前者は、赤ワイン煮のように、こってりと赤ワインエキスを吸ったものではなく、イチジクの濃厚な旨みを、いかにしてワインの酸味が引き立てるかという味になっており、もう一方のバニラアイスが濃厚なので、お皿の中でコントラストがしっかりと成立している。
このお店、開店して約2年なのだが、改めてかなりの伸びしろを感じたコースであった。
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