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2005年09月30日

銀座・得無心 すっぽん鍋のコース

 今日は、五感食堂の覚王さまとOFFとON〜東銀座ランチ日記自然系〜の霞町さまとご一緒させていただいて、すっぽん鍋のコースをいただく機会に恵まれました。この場を借りて感謝いたします。


 さてこのお店は、銀座8丁目の裏手にある扇やビルというビルに入っている、ふぐやすっぽんを中心とした日本料理のお店で、店名は「とくむしん」と読む。

 お昼のコースというのも用意されているのだが、色々あって夜のコースと同じものを昼に出していただいた。まずは、すっぽんの生き血を焼酎とりんご果汁で割ったドリンクから。

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 生き血のイメージとして、「生臭さ」というのが真っ先に思い浮かぶものであるが、このドリンクでは皆無。焼酎によって生臭さが消えて、りんごによって飲みやすさと甘みが加わり、生き血のコクがじんわりと広がってくる。

 焼酎やワインといったアルコールだけで割るというものが一般的ではあるが、りんごによってカクテル感覚で飲めるので、これならば、お酒や生臭さが苦手な方も抵抗感なく飲めるというもの。

 続いて、えんぺら(甲羅の淵のゼラチン質部分)を使った2皿。一つはえんぺらを春菊、きゅうりと和えたもの。そして、えんぺらとゼンマイを和えたもの。

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 ゼラチン質は比較的硬質で、春菊ときゅうり、そして散りばめられたあられの食感と対極的になっているのが楽しい。また、自分は春菊特有のクセが苦手なのだが、これはあっさりと食べることができた。後者はえんぺらとゼンマイという、おぼろげに共通点を持ったような食感が、上手く組み合わさっている。

 次に運ばれてきたのは、お店の方曰く「すっぽんではないのですが、いいのが入ったので…」ということで、ハモの湯びき。

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 これを梅肉と酢味噌が合わさったもので食べる。噛めば噛むほどに染み出してくる身の甘みとその食感、そしてクミクミとした皮の異なった食感との組み合わせがなんとも言えない。また、梅肉と酢味噌の組み合わせがハモの甘みを引き出している。

 身の手前にある串はハモの肝、胃袋、浮き袋という珍しい部位。肝は思ったよりもあっさりしたもので、胃袋と浮き袋の食感も実に独特。新鮮なものじゃないとこういう部位を食べることはできないのであろう。

 そして、いよいよすっぽん鍋のお出まし。

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 「すっぽんの味そのものを味わって欲しいので」ということで、具はすっぽんのみ。取り分けてスープを一口飲むと、なんと上品なコクのあるスープかと思った。クドさなし、しつこさなし、そして濃厚なコクありというもの。

 肉本体は、変な話ではあるが笑ってしまうような旨さ。プリプリした外側の部分と、身の引き締まった内側の部分の組み合わせ、そして濃厚なのにまったくしつこさがない肝。また、内側の骨の周りにうっすらと膜のような具合に旨みがついているので、骨までしゃぶってしまう。スープに旨みが染み出していながらもこれだけ旨いというのが驚き。

 そして、肉を食べ終わったら一旦鍋を下げてもらい、雑炊として運ばれてきた。

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 取り分けて一口食べると、スープの旨みを御飯が全部吸い尽くしたその味、そしてアクセントとして入っている焼餅の甘みが広がる。また、玉子がその味をまったく邪魔せずに、雑炊をまろやかにしているのも大きい。

 お漬物も雑炊を引き立てるようなあっさりとした味となっており、交互に食べて口の中に漬物の味だけが少しずつ蓄積されてしまうという感は皆無。

 そして、食後の果物。

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 梨は石細胞がしっかりとしており、固めの食感なのだが、その分噛めば噛むほど甘みが出てくる。こんな梨食べたいという食感に応えてくれるような味。そして、柿も最初のうっすらとした甘みから、噛むごとに甘みがじんわりと広がる。実は柿は食べず嫌いを含めて苦手な果物なのだが、こんな柿を食べたら他の柿も食べず嫌いではいられなくなるぐらいに感じさせてくれた。

 帰り際に、このお店の気さくなご主人から言われたのが、「ウチはフグもいいですよ」の一言。絶対にいただきます。

カテゴリー : [ 和食|ひるベスト|銀座 ]  記事の編集 takapu : 2005年09月30日 23:32

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予てより、すっぽんが食べたいとのご要望がありましたので、霞町恵太郎さんとtakapuさんと三人で、ランチOFF会を開催致しました。場所は、銀座「得無心」。以前、ランチで鱧しゃぶを食べさせてくれたところです。交渉の結果、@5,000円/人でやって頂けるとのことで、... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年10月03日 08:32

コメント

 【野球バカ21さま】

 なるほど、とても羨ましいシチュエーションだったのですね。

 そうなんです。どうしても葱味になってしまうんですよね…
スッポンの味を120%にするのならいいのですが、逆作用になるでしょうからね。

 なんと言いますか、あっさりしていながらにして、しっかりとした土台があって…あー、食べたいです。

投稿者 takapu : 2006年11月08日 21:43

このあいだ行きました!私の伯父さんの知り合いのお店でごちそうになりました!!
スッポンだけが入ってるシンプルな鍋。葱など入れても美味しいことは美味しいらしいのだが、スッポンの味が隠れて葱が邪魔をしてしまうらしい。
鍋が出てきた・・・。鍋も普通の鍋ではない。その鍋でお湯と御飯で雑炊を作るとスッポンの味が出るらしい。
さてさて、一口スープを吸うと・・「ん・・・薄いかなぁ〜」もう一口飲んでみると味が染み出る(*^〜^*)繊細な味なんだがめちゃくちゃ濃いぃぃぃ旨みなんです。その後の雑炊は説明する必要はないでしょう。
他の店でスッポンをあれだけのあさっさりした味を出す店はなかなかないでしょう!!

投稿者 野球バカ21 : 2006年11月05日 23:25

 【覚王さま】

 こちらこそ、お招きいただきまして本当にありがとうございました。

 レポートですが、正直あの味のポテンシャルの全てを表現するには稚拙な文章力で、申し訳なく思います…次のフグの時までに、少しでも文章力を向上すべく色々と勉強します。

投稿者 takapu : 2005年10月05日 00:24

こんにちは、『旨いキムチのつくり方辞典』というサイト
を運営している「ケンジン」と申します。
このたび貴サイトを当サイトでご紹介
させていただきましたのでご報告いたします。
http://kimti.kenjin.biz/archives/2005/10/post_185.html
もし、よろしければ当サイトと相互リンクいただけませんか?

URL:http://kimti.kenjin.biz/
サイト名:旨いキムチのつくり方辞典

どうぞよろしくお願いいたします!(^^)


投稿者 ケンジン : 2005年10月03日 15:45

大絶賛して頂けて、とても嬉しいです。
企画した甲斐がありました。

細かいレポートは全てtakapuさんにお任せしてしまい申し訳ありませんでした。

また宜しくお願い致します〜。

投稿者 覚王 : 2005年10月03日 14:13

 【ひつじさま】

 ども、こんばんは。

 おそらく、自分でも生涯最初で最後の経験ではないかと…あ、デザートはこれだけでも成立するぐらいに、ポテンシャルが高い果物揃いです。

 特にじんわりと味が広がる柿というのが、自分の固定観念を一つ壊してくれました。

投稿者 takapu : 2005年10月01日 23:12

こんばんは。
お昼にすっぽん鍋のコースとはうらやましいです。
デザートも美味しそうですね。

投稿者 ひつじ : 2005年10月01日 22:11

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