早速、揚げたてを一口食べると、サクっと…ではなく、グニュとした衣の食感と肉の弾力。サクっとした衣と肉の弾力のコントラストがある唐揚げとは違って、肉と衣が一体になっている印象。また、胸肉を使っているので、噛むと脂がジュワっと溢れるというものではなく、衣と一体になった肉そのものを食べているという感じになる。

　そして、南蛮酢が効いた少し甘めのタルタルソースがかかった部分を食べると、一切れ一切れが結構大きめの肉が、スッとお腹の中に入る。そして、勢いでご飯もたいらげてしまうという流れ。そして、いつの間にか食べ終わっていた。

　で、正直、食べているときに「食感」に対する違和感が生まれてしまったので、お店の方にお話を伺ったのだが、実は、関東人がチキン南蛮に対して期待値としてイメージしているであろう、「唐揚げ＋タルタルソース」の組み合わせは、宮崎では「唐タル」と呼ばれるものとのこと。厳密なチキン南蛮とは異なるらしい。

　そして、チキン南蛮はお店によって、衣の作り方もタルタルの作り方もお店独自のこだわりを持っており、それがチキン南蛮というジャンルの奥深さとなっているとのこと。

　このお店の場合は、食べやすさに対するこだわりの一つとして、「お昼にこの大きさのモモ肉を使うと、あまりにもボリューム感がありすぎるので、あえて胸肉を使っている。」というところで、食べやすさとボリュームの最大公約数を形にしている。確かに、タルタルの酸味ある甘さの勢いで、肉もご飯も入ってしまうので、それは大正解だと思う。

　赤坂界隈には、他にもチキン南蛮を出しているお店があるとのことなので、自分の嗜好と一致する味を出しているお店を探すのもいいかもしれない。

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