浅草にまつわるカキ料理の記事

2009年11月12日

■洋食「レストラン大宮」で奇跡の牡蠣安芸の一粒で馳走カキフライ

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初めて訪れた時は印象の良くなかった、
浅草寺脇の「レストラン大宮」。
カウンターの正面にする大宮シェフが何故だか大層ご機嫌が悪く、強面なシェフの顔が怒気に満ちていた。
そのピリピリとした雰囲気が愉しく美味しくいただこうとしているカウンターのこちら側にも伝わってきて、とっても遣る瀬なかったことを今でも思い出す。
丸ビルの店でにこやかに応対するシェフをみて、なんだか妙な安心をしたこともまた思い出せる。
その「レストラン大宮」へ、これは絶対行かなくちゃ!と思ったのは、とあるTV番組を観たからなんだ。

その番組は、テレ朝の「地球号食堂〜エコめし宣言」
地球にも、身近な環境にも、人にも優しくなれるオリジナルメニューを目指して、安心・安全な食材の生産者を訪ね、その厳選食材を趣旨に賛同したレストランに委ねる。
そんな番組第4号の食材が、牡蠣どころ広島の「安芸の一粒」だったのだ。


牡蠣ひと筋35年という島田水産のオッチャンがつくる牡蠣は、同じ広島圏の牡蠣ともはっきりとした違いをみせているという。
海の男らしい厳つい風貌に似合わず、顕微鏡を覗き込んでは、いいDNAの牡蠣を掛け合わせてサラブレッドな牡蠣の稚貝を生み出す。
その親牡蠣となっているのは、厳島神社の大鳥居周辺の干潟の岩に付着している牡蠣たち。
そして、その干潟での養殖が「安芸の一粒」の魅力を格段に増しているのだと。
浅瀬ゆえ水温の変動が大きく、温度が下がればぐんと引き締まる牡蠣。
干満の差も影響して、水面から出て陽に晒される状態に耐えようと引き締まる牡蠣。
そして、干潟に住むさまざまな生物たちが穴を掘ったりして耕すようにして環境を活性化、豊富なプランクトンを生んで養分を蓄える牡蠣。
そんな干潟が残っているのは、世界遺産・厳島神社あればこそ。
云わば、世界遺産が守る干潟が生む、奇跡の牡蠣、という訳なんだ。


ほうほうと思いながら、その「安芸の一粒」を使ったオリジナルメニューをどの店に任せるのだろうと観ていたら、それがあの「レストラン大宮」。
大宮シェフ自らでなく、若きシェフに挑ませた「安芸の一粒」を使ったオリジナル料理は、
「カキフライ」。
そのカキフライを試食した大宮シェフは、口髭をひくっとさせて「いいんじゃな〜い」と。


期間限定(10/27〜11/01)、一日10食という限定モードにも引っ張られて、ラーメン屋ならぬ洋食屋に開店前のシャッター状態(笑)。
定時ちょっと前に、カウンターの人となりました。

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卓上に「地球号食堂」からのメニューを紹介するプレートがあって、「コレください」。
通常メニューでいうところの、一番下段「Omiyaお勧めのフライ」が「安芸の一粒 カキフライ」だということになる。

油の沸くような弾けるような音がカウンターの中から聞こえてくる。
カキフライを調理しているのは、番組でも紹介された若きシェフなんだろな。
「お待たせしました」と「カキフライ」のお皿がやってきました。

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定番的5つのフライにたっぷりのタルタルが添えられています。

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パン粉パン粉した衣とは違って、細かな粒子で包んで揚げ焼きしたような表情をしている。

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国産小麦粉で自家製したフランスパンを細かくおろし、そこへパルメザンチーズと刻んだバジルを混ぜ込んだものを衣にしているんだ。
どれどれとそっと齧ると、その衣がカリっとしながら、チーズとバジルの風味を一瞬過らせる。

と、その直後に中の牡蠣の身が堰を切ったように弾け、押し寄せる。

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ドワッ!と広がる鮮烈な旨みの海。
うひゃひゃひゃ、こりゃ堪らん。
これが「安芸の一粒」かぁと、その地力を垣間見ちゃった感じだ。

そして、たっぷしのタルタルもなかなかに絶妙。

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ニンニクと鷹の爪を一緒におろし、卵黄とオリーブオイルでマヨネーズを作り、そこへ刻んだ茹で玉子、トマト、玉葱、バジルを混ぜ合わせたもの。
ちょっとした辛み風味とちょっとしたトマトの酸味がタルタルのコク味にいい輪郭を添えていて、揚げ焼きカキフライによ〜くマッチしているんだ。
うんうん、ご馳走さまです。

泰然自若が新進気鋭を琢磨する、老舗洋食「レストラン大宮」。

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「安芸の一粒」を育んでくれた厳島神社大鳥居を望む干潟と島田水産のオッチャンとオリジナルフライを考案してくれた若きシェフとそのシェフを育てた大宮シェフに感謝を思う、浅草のお昼どきでありました。
「安芸の一粒」は、在京のいくつかのレストランでも食べられるようなので、
そちらにも行かなくちゃ(笑)。

「レストラン大宮」 台東区浅草2-1-3 [Map] 03-3844-0038 http://0038.info/

カテゴリー : [ まさぴ。|浅草|カキフライ ]  記事の編集 takapu : 22:10

2007年02月17日

田原町・龍圓 カキの燻製とカキの卵焼き

 オイスターフリークの皆様、お待たせしました。カキタベ!でございます!

さて、現在のカキタベ!は何位になっているでしょう?


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 2007年のカキタベ!新年会ということで、向かったのがこのお店。田原町の駅から徒歩8分ぐらいにある、一見普通の中華料理店なのだが、出された料理はいい意味でマニアックだった。

 今回、事前に予約していたカキメニューは2品。それ以外はカキメニューではなく、色々な中華料理を食べるということでお願いしていたのだが、いきなりカキ料理2品が運ばれてきた。

・カキの燻製
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 最初に運ばれてきたのは、カキの色合いと緑色のコントラストが鮮やかな、このカキの燻製。紹興酒に漬け込んだカキを、じっくりと燻製しており、この香りが旨みを十二分に膨らませている。

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 内臓部分の強いコクは、野菜と一緒に食べることでコントラストが生み出されるのだが、上にまぶされたドレッシングが旨いことも、皿がカキだけの味に終わらず、全体の中にカキが活きる組み立てを生み出している。

・カキの卵焼き
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 この卵焼きは作り方がすごい。

 さっとボイルしたカキを蒸し器で蒸すことで、旨みたっぷりのエキスを溢れさせて、フライパンに流し入れた卵に、エキスごと流し込む。こうすることで、卵にカキの旨みが十二分に行き渡ることになる。で、これにオイスターソースをかけて食べる。
 
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 カキの弾力と熱によって引き出された旨み、そしてカキの旨みが行き渡ったフワフワの卵は、最高の食感と味。オイスターソースをかけることによってコクが加わり、更に上質で立体的な味となる。

 ちなみに、このお店のカキは全て三陸産を使っているのだが、大きさはそれほどではないものの、どちらの料理も、カキの魅力を限界まで引き出した作りとなっている。また、卵が自分の地元、相模原の地卵を使っていることで、更に驚きと嬉しさが増したのも事実である。

 そして、3品目に運ばれてきた、予想だにしなかった迫力の料理は…こちらからどうぞ

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 今日もカキタベ!を御覧いただきまして、ありがとうございました。通算250食目を迎えたカキタベニストです。

 植物プランクトンをたっぷりと摂取するこの時期、真牡蠣は更に旨くなります!まずは皆様のクリックで、牡蠣に支援をください!!!

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カテゴリー : [ takapu|浅草|中華料理 ]  記事の編集 takapu : 23:59

2004年12月05日

大宮

ベストセラー祈願(編集注・14日に発売の築地王氏の著作「築地で食べる 場外・場内・“裏”
築地」のことです)をしに浅草へ行く。

浅草まで来たからには、、、
ということで、洋食の有名店「大宮」でカキフライを食す。

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ところが、、、衣にサクッと感が全くない!
よ〜く見ると、ところどころ焦げ色が・・・
どうやらディープフライ(大量の油に泳がす揚げ方)ではなく、
少ない油で焼き揚げるシャローフライされている様子。

牡蠣そのものは芳醇な、牡蠣らしい味が濃くてなかなか良いのだが、
このニチャっとする衣の違和感はどうにも慣れず、消化不良。

カテゴリー : [ 築地王|浅草|カキフライ ]  記事の編集 takapu : 14:51

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